こんにちは、すずめです。わたしの大好きな絵本シリーズに、島田ゆかさんのバムとケロがあります。
しっかりもので面倒見のいい犬・バムとお茶目で無邪気なカエル・ケロちゃんの日常は、何気ないのにわくわくに満ちていて、大人も夢中になってしまいます。
実際に読んでこそ魅力がわかる絵本ですが、本記事ではそんなバムケロシリーズの魅力が伝わるよう、内容やあらすじ、作者についてやバムのモデルとなった犬など、バムケロを楽しむポイントをたくさんご紹介していきます。
・バムとケロシリーズについて詳しく知りたい
大人にも人気!バムとケロシリーズの絵本
バムとケロシリーズの人気の秘密
個性的で癖のある登場人物たち
バムとケロシリーズの最大の魅力は、なんといっても個性豊かで少し癖のあるキャラクターたちです。主人公はバムとケロの2人(2匹?)ですが、あひるのかいちゃんや小さな犬のヤメピ、今川焼きのいまちゃんなど、周りのキャラにも楽しい子たちがたくさんいます。
特徴的なのは、かいちゃんのように物語にかかわるキャラクターもいれば、セリフがなくストーリーとは関係のないところで動き回っているキャラクターもいるところです。誰がどんなことをしているのか探すのも、バムケロシリーズの醍醐味です。
絵が細かくて何度読んでも新しい発見がある
かわいいインテリアやおいしそうな食事など、絵が細かく描き込まれているのも大きな魅力です。物語とは関係がないところで小物が少しずつ変化していったり、誰も知らないところで何かが起きていたりと、見どころや発見にあふれています。
この細かさが、子供だけでなく大人も夢中になるポイントです。何度絵本を開いても新しい気付きがあり、繰り返し読みたくなってしまいます。
知っておくともっと楽しめるポイント
作者の島田ゆかさんはカナダ在住
作者の島田ゆかさんは、1963年生まれの女性です。バムとケロシリーズの第1作「バムとケロのにちようび」で1994年にデビューしています。2001年からカナダのオンタリオ州に在住しており、現在はそこで仕事をされているそうです。
バムのモデルとなった犬の種類は?
バムのモデルとなった犬は、ブルテリアというイギリス原産の犬種です。ブルドッグとテリアがかけあわさっており、短い毛や小さな目がコミカルな印象を与えます。バムののっぺりとした顔も、ブルテリアの見た目の特徴を反映したものです。
別シリーズの主人公「ガラゴ」が登場することも……
「ガラゴシリーズ」の主人公・ガラゴは、風変わりなかばんを売っているかばん屋です。ガラゴについてはガラゴシリーズを徹底解説した別記事をご覧ください。
実はバムとケロシリーズとガラゴシリーズはつながりがあり、「もりのこや」にはこっそりガラゴが登場するシーンもあります。以下の記事ではバムケロとガラゴの関係性について解説しています。絵本をまたいでお互いが登場するシーンもまとめてありますので、どちらも好きという方はぜひ読んでみてください。
どれから読む?読む順番に悩んだら曜日順に!
バムとケロシリーズはどれから読んでも楽しめますが、迷ったら発売された順番に読むのもおすすめです。というのも、実は作中の曜日が発売された順番に日曜日・月曜日・火曜日・水曜日……と進んでいるからです。
一番新しい「もりのこや」が木曜日なので、新作が出れば金曜日・土曜日と進むかもしれません。一週間が揃うのが楽しみですね。
バムとケロは何歳から読める?
個人差もありますが、バムとケロシリーズは3歳ごろから物語を楽しむことができそうです。4歳・5歳と年齢が上がっていくにつれて、絵を楽しんだり発見をしたりと遊びの幅が広がっていきます。そしてもちろん、何歳まで楽しめるという上限はありません。
ぬいぐるみやグッズも人気
ファンなら絶対ほしくなる!ケロちゃんパンケーキが焼けるフライパン
バムとケロシリーズは、グッズも多く発売されています。中にはおなじみのケロちゃんパンケーキが焼けるフライパンもあり、とても人気です。他にもランチグッズやリュック、ぬいぐるみなど、幅広いジャンルのグッズがあります。
グッズは現在生産終了……今でも売ってる場所は?ぬいぐるみ再販される?
残念なことに現在はグッズの多くが生産終了しています。新規入荷はないので、雑貨屋やスーパーの雑貨コーナーなどで売れ残った在庫を探すしかなさそうです。また、一度人の手にわたったものでも気にならないなら、フリマアプリも検討しましょう。
なおぬいぐるみに関しては、2021年1月に文溪堂のTwitterとInstagramで再販の予定がある旨が告知されました。ただしその後は具体的な告知がされておらず、2年経った今もぬいぐるみは手に入りづらいままとなっています。
バムとケロシリーズを全冊紹介!
バムとケロシリーズは、2023年現在では5冊が出版されています。1冊ずつ内容やあらすじをご紹介しますので、まだ読んだことがない方はおもしろそうだと思ったものをぜひ手に取ってみてください。
バムとケロシリーズのあらすじ・内容
1作目:バムとケロのにちようび
せっかくの日曜日なのに雨でどこにも出かけられないバムと、雨でも好き勝手に遊んで家の中をぐちゃぐちゃにしてしまうケロちゃん。1作目ながらも個性が存分に発揮されていて、2人のやりとりがおもしろく思わず笑ってしまいます。
部屋を片付けたバムとケロは、ドーナツを揚げ、本を読みながらゆっくり過ごそうとします。まだ読んでいない本を探しに屋根裏に行きますが、そこにいたのは……。最後もほっこりさせられる、初めて読むのにおすすめの1冊です。
2作目:バムとケロのそらのたび
おじいちゃんから送られてきた組み立て式の飛行機で、おじいちゃんの誕生日をお祝いしに行くお話です。パイロットのバムは、行き方が丁寧に書かれた手紙を読みながら飛行機を操縦します。が、航路には危険やトラブルがたくさん待ち構えていました。
登場するのは玉ねぎ山脈やりんご山、カボチャ火山など、わくわくドキドキする場所ばかり。いっしょに冒険するような気持ちで読める作品です。無事におじいちゃんの家に到着できるのかどうか、実際に読んで確かめてみてください。
3作目:バムとケロのさむいあさ
あひるのかいちゃんが初登場した絵本です。とても寒い朝、バムとケロがスケートや釣りの道具を持って池に行くと、池といっしょにあひる(かいちゃん)が凍っていました。2人はあひるを救出し、家に連れ帰ってお風呂に入れてあげます。
お風呂で起きたある「事件」は、子どもが大笑いすること間違いなしの名シーンです。翌朝かいちゃんは置き手紙を残して姿を消してしまったのですが……、その後のオチまでおもしろい、冬にぴったりの1冊です。
4作目:バムとケロのおかいもの
市場に行ってお買い物をする、月に一度の楽しみを描いたお話です。商品をすべて頬袋に入れているハムスターの店や、ケロちゃんが買ったたくさんのおいしそうな食べ物など、わくわくするものがたくさん登場します。
元々決めていたものをしっかり吟味して買うバムと、好きなものを好きなように買ってしまうケロちゃん、2人の対比もおもしろさを際立てます。お店の商品や人々などの描き込みがとにかく細かく、さまざまな発見を楽しめる1冊です。
5作目:バムとケロのもりのこや
森で見つけた小屋をリフォームして、秘密の別荘を作る話です。なんでも屋のソレちゃんに協力してもらい、掃除や修理、ペンキ塗りとどんどん作業を進めていきます。ところが翌朝、小屋の中にはペンキで身動きが取れなくなったかいちゃんがいました。
秘密の部屋で秘密の集まりをするという、誰もが一度は憧れる状況にわくわくさせられます。物語にかかわるキャラクターの数がこれまでで一番多く、賑やかな雰囲気が楽しい1冊です。2011年発売ですが、2023年時点での最新刊でもあります。
小型絵本ボックス
通常絵本よりも小さいミニサイズ絵本が4冊入ったボックスセットです。小さめでお出かけ用にちょうどいい大きさになっています。「もりのこや」は入っておらず単品での販売もされていないため、全冊を同じ大きさで集めたい方には向きません。
番外編!絵本以外の出版物
レシピブック:バムとケロのおいしい絵本〜絵本のなかのとっておきレシピ集
絵本ではなく、本格的なレシピ本です。レシピは作者の島田ゆかさんが監修しているため、絵本から飛び出てきたようなおやつや料理が作れます。「にちようび」に登場するドーナツのレシピも載っているほか、書き下ろしのコンテンツも充実しています。
バムとケロのトランプ
本ではありませんが、絵本と同じ文溪堂から出版されている商品です。バムケロシリーズのファンならどこかで見たことがあるこのトランプ、実は「さむいあさ」でケロちゃんとかいちゃんが遊んでいたものと同じものです。
普通サイズのトランプだけでなく34%の大きさのミニトランプも付いており、2倍楽しめます。トランプとして遊ぶのももちろんおすすめですが、大切に飾っておくのにもぴったりのかわいい商品です。
小型絵本・大型絵本・英語版もチェック
小型絵本(ミニサイズ)の他にも、バージョン違いのものが発売されています。大型絵本は通常の1.4倍サイズで絵が見やすく、読み聞かせにもぴったりです。また、翻訳された英語版もあり、外国語学習にも活用できます。
販売がある作品一覧
小型本……にちようび・そらのたび・おかいもの・さむいあさ
大型本……にちようび・そらのたび・おかいもの
英語版……にちようび・そらのたび・おかいもの・さむいあさ
バムとケロの新作はいつ?
2011年時点のインタビュー記事で島田ゆかさんは、「もりのこや」の色塗りに4年ほどかかり、構想も含めると5年近くかかったと話されていました。その記事内で新作について、「まだ構想はないけれど頑張って描きたい」という旨の話をされています。
また、2021年には朝日新聞デジタルの記事で新作を構想中であると語っていました。(有料記事『バムとケロ、真面目にばかばかしく楽しい暮らし』より)具体的な時期はわかりませんが、バムとケロが過ごす金曜日を読める日もそう遠くないかもしれません。
2011年のインタビュー記事はこちらから見られます。
さいごに
わたし自身はバムとケロシリーズの5冊を何度も何度も読んでいるので、まだバムとケロを読んだことがない方がうらやましくてたまりません。これから物語を味わって、さまざまな発見をして……と楽しみが待っているのはとても幸せなことだと思います。
バムたちの魅力が伝わるよう、試行錯誤しながら記事を書いてきましたが、どれも実際に読んでみることの足元にも及びません。バムケロのよさは絵本を開いてこそ初めて伝わります。ここまで読み少しでも気になったなら、まずは1冊、ぜひ読んでみてください。