すずめ書店

本で心を豊かにしたい、どこかの町のすみにある小さな本屋さん。

絵本読み聞かせ初心者の方へ♡読み方のコツやお悩みについてを大解説!

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 こんにちは、すずめです。わたし自身は、小さいときから妹や弟に読み聞かせをしていたのに加え、小学校教員時代には低学年に読み聞かせをしていたので、子どもが生まれてからも苦戦することなく読み聞かせができました。

 でも、読み聞かせ初心者の方は「読み聞かせって意味ある?」「棒読みになっちゃう」などの疑問や悩みを抱えているはずです。そこで本記事では、読み聞かせ初心者の方に向け、基本的なポイントやコツ、疑問、悩みなどを解説していきます。これから親子で読み聞かせを楽しみたいと思っている方はぜひご覧ください。

こんな人向けの記事

・読み聞かせに慣れていなくて上手にできない、恥ずかしい

・読み聞かせをしていて困ることや悩みがある

・みんながどうやって読み聞かせをしているか知りたい

 

意味はあるの?絵本読み聞かせの必要性

絵本の前にクマのつみきが置いてある写真

読み聞かせの効果はこんなにたくさん!

想像力が広がり感情が豊かになる

 絵本の読み聞かせを聞く子どもは、絵を見つつも頭の中で状況をイメージし、物語を楽しみます。それにより想像する力が育まれ、言葉からイメージを膨らませたり気持ちを考えたりする力がつきます。

 また、さまざまな感情に触れることで心が発達し、感情が豊かになるともいわれています。内面を大きく成長させるのが、絵本読み聞かせの素敵なところです。

言語能力の発達が促進される

 たくさんの言葉に触れられるところも、絵本のいいところのひとつです。日常の会話だけだと同じ言葉の繰り返しになってしまいがちで、新しい単語や表現になかなか触れられません。また、テレビから流れる言葉は一方的で学びに繋がりにくいといいます。

 読み聞かせが言語能力の発達につながるのは、数多くの研究で明らかにされています。年齢にあった絵本を読み聞かせることで、たくさんの言葉に触れさせてあげてください。

学力が高い傾向にあるというデータも

 厳しい話ですが、近年の研究では子どもの学力は親の経済能力に関連することがわかっています。家庭の年収が高いと学力が高く、年収が低いと学力も低くなる傾向にあるということです。(もちろん例外もたくさんあります)

 しかしその一方で、家庭の経済状況にかかわらず絵本の読み聞かせが学力向上に繋がるということも明らかになっています。以下の記事にてデータと共に詳しく解説されているため、興味がある方はぜひご一読ください。

synodos.jp

コミュニケーションの手段

 絵本の読み聞かせは、親子のコミュニケーションの手段としても大切な役割を果たします。膝の上に座らせて読んだり、読み終わった絵本について話をしたりと、絵本を通したコミュニケーションは親子の数だけあります。

 また個人的には、おもちゃでいっしょに遊ぶよりも絵本の読み聞かせをする方が、自分も楽しめて好きです。

ねらいや意味は深く考えなくてOK!

 絵本にさまざまな効果があるとわかると、「じゃあこの絵本はどんなことを伝えたいんだろう」「この絵本のねらいはなに?」など深く意味を考えてしまいます。でも正直、子どもと過ごすときにそんな難しいことは考えなくて大丈夫です!

 もちろん、絵本ごとに意識した方がいい点や学べることはあります。でも、それを気にかけすぎると読み聞かせが堅いものとなってしまいます。リラックスして、いい意味でゆるく、自分自身も読み聞かせの時間を楽しみましょう

読み聞かせの参考にしたいデータ

ノートや電卓が置かれたピンク色の机の写真

いつからいつまで?

0歳からでも読み聞かせはできる

 絵本の読み聞かせは、生まれてすぐにでもできます。赤ちゃんが興味を持つのは早くて2ヶ月ごろからですが、それ以前でも大人の声は聞こえているため、声の心地よさは理解できます

小学生になってからの読み聞かせも大切

 いつまで読み聞かせをするべきかについては、研究や見解によって異なります。しかし共通しているのは、文字が読めるようになっても読み聞かせは続けるべきだという点です。

 文字を読めればお話を読んであげる必要はないのでは?と思う方も多いかもしれませんが、黙読や音読の一人読みと読み聞かせはまったく違います。10歳ごろまでという研究もあれば、読み聞かせに終わりはないという研究もあるようです。

1日何冊読めばいい?

くもんが推奨するのは「3歳までに1万冊」

 1日に何冊というのとは少し異なりますが、公文式では「3歳までに1万冊」の絵本を読み聞かせてあげようという具体的な数字を掲げています。同じ本でも大丈夫なので、気に入ったものを何度も読んであげるといいですよ。

頻度は週3〜4日、時間は5分以上が多いという研究も

 ベネッセの調査によると、未就学児への読み聞かせを1日に5分以上おこなっている家庭が半数以上を締めています。その多くが5〜15分なので、複数冊読んであげる方が多いようです。

 しかしそれは毎日というわけではなく、半数以上が週3〜4以下の頻度で読んであげているといいます。そのため「毎日○冊以上読まなきゃ」と身構えるのではなく、自分たちに合ったペース・冊数で読むのがよさそうです。

実際に絵本を読み聞かせてみよう

絵本を読み聞かせしている犬の人形の写真

読み聞かせの注意点

 読み聞かせをするときに必ず押さえておきたいポイントが、「読む側が気を張りすぎない」ということです。失敗しないように読みたい気持ちもよくわかりますが、完璧に読むだけがすべてではありません。

 ただ上手に読むことが求められるなら、プロが読んだ音源を流せばいいだけになってしまいます。子どもが聞きたいのは、パパやママ、自分に親しい人が読んでくれるお話です。リラックスして、楽しみながら読みましょう。

始め方のポイント

タイミングは落ち着く時間帯や寝るときがおすすめ

 絵本の読み聞かせは、子どもが読んでほしがるタイミングでしてあげるのが一番です。でもまだ読み聞かせの習慣がない場合は、時間を決めて読んであげるようにしましょう。

 おすすめなのは、比較的落ち着いて過ごせる時間帯です。遊びから帰ってきたあとは興奮状態で話を聞けない子も多いので、遊びに出かける前がいいかもしれません。また、寝る前に読む習慣をつけるのもおすすめです。

絵本を見上げるような座り方にすると見やすい

 子どもにとって見やすい姿勢は、少し見上げた視線の先に絵本がある状態です。低すぎても高すぎても見づらいのは、映画館で映画を観るときも同じですよね。絵本を持ち上げたり椅子に座ったりと、工夫してあげましょう。

 ただし、さわって楽しむ絵本やしかけ絵本などは、床に置いた方が遊びやすいこともあります。子どもの様子を見ながら調節してあげてください。

集団相手でなければ本の持ち方はなんでもOK

 読むときの本の持ち方が気になる方もいるかもしれませんが、集団を相手に読むのでなければそこまで気にする必要はありません。となりに座ったり膝に座らせたりすると、子どもに絵がよく見えているかどうか自分で確認ができます。

読み方のポイント

はっきり聞き取りやすい声で読んであげよう

 どんな絵本を読むかによって適した声のトーンや抑揚のつけ方などは異なりますが、共通するのは聞き取りやすくはっきりした声で読んだ方がいいということです。また、普通に話すときよりもゆっくりめに読むようにしてあげましょう。

めくり方にバリエーションをつけるのもおすすめ

 めくり方を工夫すると、プラスアルファで楽しめます。展開が気になるときはじらすようにゆっくり、スピード感がある絵本は素早くなど、絵本にあっためくり方をするとおもしろいですよ。読み聞かせに慣れたらぜひやってみてください。

読み終わったあとは?

「おしまい」などの言葉で締めてあげる

 読み終わったあとは、絵本には書いていなくても「おしまい」「おわり」などの言葉で締めてあげましょう。もう一度!とリクエストされるとしても、一旦は絵本を閉じて終わらせると区切りができます

お話の振り返りをしても楽しい

 会話が楽しめるくらいの年齢なら、読み終わった本について振り返ってみてもいいですね。読みっぱなしにするよりも物語が頭に残り、話を整理したり自分の気持ちを口にしたりする練習にもなります。

 ただし、子ども自身が乗り気でなければ無理に振り返りをする必要はありません。「もう一回読んで」「今度はこっちを読んで」など、子どもの気持ちを優先させましょう。

読んだ絵本はアプリなどに記録しておくと見返せる

 読み終わった絵本は、アプリなどに記録しておくとあとで見返せます。アプリはたくさんありますが、バーコードを読み込んで絵本が登録できるものが便利です。感想やメモが書けるものもあり、反応を記しておけば成長記録としても活用できますよ。

読み聞かせのお悩み

くまのぬいぐるみが何か考えている写真

読み聞かせが成り立たない!

ちゃんと座らない・じっとしていないときは無理に聞かせない

 絵本を読み聞かせようとしても、じっとしていなかったり座らなかったりと、落ち着かない子もいます。そんなときは無理に聞かせようとせず、時間を置いてまた別のときに読み聞かせしてあげましょう。

 気分じゃないのに無理やり聞かせられると、子どもも読み聞かせそのものを負担に感じたり嫌いになったりしてしまいます。子どもの絵本を聞く姿勢が整ったときに読み聞かせをするようにするのが吉です。

小さいうちはどんどんページをめくってしまってもOK

 大人からすると本は1ページ目から順番に読むのが当たり前ですが、小さいうちは自分でどんどんページをめくってしまうことがよくあります。「これじゃ物語がわからない」とやめさせようとする方も多いですが、この場合はやめさせる必要はありません。

 ページをめくるのは、自分でページをめくるのが楽しくなってきた1歳〜2歳ごろの子が多いようです。物語を楽しめるようになるとしなくなりますので、ページをめくりだしたらそれに合わせて読んであげるなど、対応してあげましょう。

途中で話しかけてくるなら会話を楽しみつつ読もう

 絵本を読み聞かせていると、お話の途中にもかかわらず話しかけてしまう子もいます。内容に関することや全く関係のないことなど、子によってさまざまです。内容についてならそこから話を広げつつ、うまく絵本の方に軌道修正するといいですよ。

 ただし、ある程度大きな子の場合は、静かにお話を聞く力を育てるのも大切です。「今は静かにお話を聞こうね」と声をかけてあげるなどして、聞く練習をしましょう。

聞かない・泣く・嫌がるときは絵本を変えるのもあり

 読み聞かせをしても聞かない、泣く、嫌がるなどの様子を見せる場合は、絵本を変えてみるのも方法のひとつです。年齢が小さい子だと、上手く言葉にできないだけで「この本のこの絵が怖くて嫌」「こっちの本がいい」などの要望があるかもしれません。

 それでもだめなら、読み聞かせは切り上げてほかの遊びをしましょう。会話ができる年齢の子なら、落ち着いたタイミングで「どうして絵本がいやなの?」と聞いてあげると原因がわかることもあります。

読み聞かせがエンドレスで終わらない!

 「おしまい」と言って絵本を閉じたのに、「もういっかい!」と急かしてくる。いったいいつまでエンドレスで読めばいいの!……というのは、読み聞かせあるあるだと思います。もうすぐ1歳になる娘も、まさにその真っ最中です。

 本当なら、子どもの気が済むまで読んであげるのが理想です。時間が許すのであれば、飽きるまで読んであげてください。しかし、パパやママも忙しかったり疲れていたりと、ずっとは読んでいられないのが現実ですよね。

 もし切り上げなければいけないなら、「次でおしまいね」と約束をしてから1度読み、終わりにしましょう。そこでもし駄々をこねられても、根負けして読んでしまわないことが大切です。(わがままを貫き通せば聞いてもらえると思ってしまうため)

 また、小さいうちなら他のことで気を引いてしまうのもひとつの手です。とはいえその子によって性格もちがうので、必ずしもうまくいくとは限りません。できるだけ笑顔で終わりにできるよう、いろんな方法を試してみるようにしてみてください。

読み聞かせができない・苦手!

棒読みでも大丈夫!上手・下手より真剣さ

 声に出して絵本を読むのが恥ずかしいというママとお話をしたことがあります。その方はどうしても棒読みになってしまうことに悩んでいて、子どもは楽しくないんじゃないかと言っていました。でも、それは違うと思います。

 上にも書きましたが、上手な読み聞かせだけが求められるなら機械でもいいことになってしまいます。大切なのは上手さではなく、パパやママなど自分の大切な人が真剣な気持ちで読んでくれているということです。自信を持ってください!

めんどくさいと思うならアプリも活用

 読み聞かせをするのが大切なのはわかっていても、忙しいと「めんどうくさいな……」と思ってしまうことがありますよね。そんなときは読み聞かせアプリを活用しましょう。アプリは無料のものもたくさんありますよ。

 ただし、タブレットスマホをずっとわたしたままにしておくのはおすすめできません。「この1冊だけ見ようね」などと約束をして、使用時間を守る習慣をつけましょう。

読み聞かせの疑問

はてなマークのブロックが3つ並んでいる写真

YouTubeの絵本読み聞かせ動画は著作権的にいいの?

 これに関しては、基本的にアウトです。文章にも絵にも著作権があるため、通常の絵本を読んだ動画をアップロードしているものは違法となります。視聴をやめましょう。ただし、以下のような例外もあります

①出版社が公式チャンネルでアップロードしているもの

②自作の絵本を読み聞かせしているもの

青空文庫の作品を読んでいるもの

 3つめは、青空文庫の作品でも誰かの絵を勝手に使用している場合はNGです。(フリー素材などで自作の映像を作っている場合はOK)子どもが勝手に見ていた場合などは、著作権について簡単に説明し視聴しないように言ってあげてくださいね。

読み聞かせは効果なしという考えもあるの?

 読み聞かせに効果がないと考える方もいるようですが、上で触れたとおり、読み聞かせには意味があることがさまざまな研究で明らかになっています。ただし、個人として考えたときに結果が見えづらいため、「本当に効果があるの?」と心配になる方が多いようです。

 以下に、この記事を書くときに参考にしたサイトや資料を掲載しておきます。どうしても読み聞かせの効果が信じられない……という方は、ぜひそちらを読んでみてください。

参考資料

本の読み聞かせが親子に与える効果とは - BSN キッズプロジェクト

読み聞かせの実態と言葉の発達 - ベネッセ教育総合研究所

幼児に本を読み聞かせるメリット | 新興出版社

絵本の読み聞かせが、子供の学力を伸ばす - SYNODOS

妊娠中に読み聞かせをするのは意味がある?

 マタニティ期の読み聞かせは、赤ちゃんの耳が聞こえるようになる妊娠5ヶ月ごろからがおすすめです。ママのやさしい声が聞こえ、赤ちゃんは心地よい時間が過ごせます。また、感受性の発達が促せるとする研究もあります。

 そして、赤ちゃんだけでなく妊娠中のママにもたくさんのメリットがあり、気持ちが落ち着いたり産後うつのリスクが下がったりすると言われています。少し気恥ずかしいかもしれませんが、ぜひ読み聞かせをしてみてください。 

読み聞かせをしなかったらどうなるの?

 読み聞かせをしなかった家庭とたくさんした家庭では、子どもの学力に差が出たという研究があります。(絵本の読み聞かせが、子供の学力を伸ばす - SYNODOS)必ずしもそうなるとは限りませんが、このようなデータがある以上、読み聞かせをしないと学力が伸びないかもしれないと言えるでしょう。

 ここまで紹介してきたように、読み聞かせにはたくさんのメリットがあります。だからこそ、読み聞かせをしてこなかったことに後悔するパパやママの声もたくさん聞かれます。もしまだ子どもが小さいようなら、今からでも読み聞かせの時間を作るようにしてくださいね。

さいごに

 わたしのおばあちゃんは絵本の読み聞かせを専門にやっていたので、わたし自身はたくさん絵本を読んでもらっていました。もちろん読み聞かせをしてもらった記憶は残っていませんが、本を読んだり文を書いたりするのが好きなのはそのおかげだと思っています。

 親子の読み聞かせは、絵本通したコミュニケーションを楽しむことが一番です。初心者でも構えてしまわず、子どもと共に楽しみながら読み聞かせをしてあげてください。