こんにちは、すずめです。ノンタンシリーズは、小さい頃に妹や弟によく読み聞かせしていたので思い入れがあります。ノンタン、ちょっと自分勝手ではあるけれど、なんだか憎めないんですよね。子どもに共感されるキャラクターだと思います。
本記事ではノンタンシリーズの基本的な情報のほか、全冊の内容やあらすじをご紹介します。加えて「怖い」「教育に悪い」という意見についてや、妹・タータンの秘密などについても解説していきます。
ノンタンシリーズの基礎知識
作者のキヨノサチコさんについて
本名は清野幸子さん
ノンタンシリーズの作者であるキヨノサチコさんは、本名を清野幸子さんといいます。1976年に「ノンタンぶらんこのせて」で絵本作家デビューしました。ノンタンのほかにも「トントン☆ブー」シリーズなどを手がけた方です。
2008年に60歳で亡くなっている
キヨノさんは2008年、脳腫瘍により60歳で他界されました。「自分がいなくなったあとも、子どもたちの中でノンタンが生き続けてくれたらうれしい。」と話されていたとのことで、亡くなったあともしばらくは公表されずにいたそうです。
亡くなったあとも新刊が3冊出版された
キヨノさんが亡くなった2008年以降も、ノンタンの新刊は3冊出ています。紙芝居用に作っていた原稿に修正を加えるなどして、絵本にしたものです。最も新しいのは、「あそび図鑑」のコーナーを使用した「ノンタンたいそう1・2・3」です。
対象年齢は?いつから楽しめるかはシリーズによって違う!
「赤ちゃん版」のノンタンは1歳〜だが0歳で楽しめるものも
偕成社のホームページには、赤ちゃん版ノンタンの対象年齢は1歳からと記載してあります。テーマとなっているトイトレやはみがき、あいさつなどは1歳から2歳ごろの子どもにぴったりの内容です。
一方で、0歳からでも楽しめそうなものもあります。娘の場合、「いないいなーい」や「にんにんにこにこ」は9ヶ月ごろから興味を持っていました。
通常のノンタン「ノンタンあそぼうよ」「すきすきノンタン」は3歳・4歳が目安
赤ちゃん版でないノンタンシリーズは、「ノンタンあそぼうよシリーズ」「すきすきノンタンシリーズ」という名前がついています。2つは対象年齢によって分けられており、「あそぼうよ」は3歳から、「すきすき」は4歳からとなっています。
「赤ちゃん版」と「ノンタンあそぼうよ」「すきすきノンタン」の違い
1歳からの子に向けた「赤ちゃん版」と、「ノンタンあそぼうよ」「すきすきノンタンの違いはたくさんあるため、箇条書きでご紹介します。かっこ内は、前半が「赤ちゃん版」、後半が「ノンタンあそぼうよ」「すきすきノンタン」の順番です。
・対象年齢(1歳〜/3、4歳〜)
・表紙のフォーマット
・ページ数・文章量(少ない/多い)
・物語性(あまりない/しっかりした物語)
・言葉選び(繰り返しが多く響きを楽しむ/物語を伝えるための文)
・テーマ(1歳〜2歳ごろの生活習慣/3歳以上の生活ルール)
・サイズ(縦17cm/縦19cm)
ノンタンシリーズの疑問
2歳はどっちのシリーズを読めばいい?
上記で対象年齢について解説しましたが、2歳の子にはどっちのシリーズが合うのか悩んでしまいますよね。赤ちゃん版だと幼い気もするけれど、しっかりした物語はまだ早いかな?という微妙な時期です。
そんなときは、その子が他に読んでいる絵本のレベルと合った方を選びましょう。また、その子にとって今習得しておきたい生活習慣やルールに関するものを選ぶのもありですよ。
読む順番はどれからがおすすめ?
ノンタンには連続した物語がないため、どの絵本から読んでも楽しめます。それでもあえて1冊選ぶなら「ぶらんこのせて」がおすすめです。1作目として出版された作品で、ノンタンシリーズで最も売れている作品でもあります。
ただし、後半になると登場するノンタンの妹・タータンは、16作目の「いもうといいな」で初登場します。17作目以降の作品を読む前に読んでおくと、新キャラをスムーズに受け入れられるかもしれません。
アニメ版はどこで観られる?
ノンタンは、2度にわたってアニメ化されています。1度目は千秋さんがノンタンの声を担当した「ノンタンといっしょ」、2度目は齋藤彩夏さんがノンタンの声を担当した3DCGアニメの「げんき げんき ノンタン」です。
最初の「ノンタンといっしょ」は現在配信はされておらず、放送されていたのが古いことからDVDも販売されていません。視聴するにはVHSを購入する必要があるため、なかなかハードルが高い状態です。
一方で「げんき げんき ノンタン」は、NetflixやU-NEXTなどのサブスクサービスで視聴できます。登録しているかたはぜひ「ノンタン」で検索してみてください。(U-NEXTは初めての登録なら31日無料で観られます。31日以内に退会すればお金がかかりませんでした!)
グッズやおもちゃもあるの?
人気のノンタンは、グッズやおもちゃなどもたくさん販売されています。日用品からぬいぐるみ、つみきまでさまざまです。もしノンタン好きの子にプレゼントするなら、絵本の世界を再現できるつみきのセットがおすすめですよ。
ノンタンシリーズ全冊のタイトル&テーマをご紹介!
ここからは、現在発売されているノンタンシリーズの作品についてさらっと紹介していきます。なお、テーマは筆者が絵本を読み、独断で書いたものです。公式の見解ではありませんのでご注意ください。
あらすじ・内容も含めた詳しい紹介を読みたい方は、以下のページをご覧ください。
0歳〜 赤ちゃん版ノンタンシリーズ
1:ノンタン にんにん にこにこ【テーマ:表情】
2:ノンタン もぐ もぐ もぐ【テーマ:食べる】
3:ノンタン おしっこ しーしー【テーマ:トイレ】
4:ノンタン あそびましょ【テーマ:いろんな遊び】
5:ノンタン いない いなーい【テーマ:いないいないばあ】
6:ノンタン じどうしゃ ぶっぶー【テーマ:じどうしゃ遊び】
7:ノンタン おはよう【テーマ:あいさつ】
8:ノンタン はみがき はーみー【テーマ:はみがき】
9:ノンタン はっくしょん!【テーマ:かぜ】
3歳〜 ノンタンあそぼうよシリーズ
1:ノンタン ぶらんこのせて【テーマ:順番こ】
2:ノンタン おやすみなさい【テーマ:夜のすごしかた】
3:あかんべ ノンタン【テーマ:いたずら】
4:ノンタン およぐのだいすき【テーマ:海】
5:ノンタン ほわほわほわわ【テーマ:ふうせん】
6:ノンタン おねしょでしょん【テーマ:おねしょ】
7:ノンタン! サンタクロースだよ【テーマ:クリスマス
8:ノンタン あわ ぷくぷく ぷぷぷう【テーマ:お風呂】
9:ノンタンの たんじょうび【テーマ:誕生日】
10:ノンタン ボール まて まて まて【テーマ:ボール】
11:ノンタン ぱっぱら ぱなし【テーマ:片付け】
12:ノンタン こちょ こちょ こちょ【テーマ:くすぐり遊び】
13:ノンタン バースデイブック【テーマ:記録絵本】
14:ノンタン おばけむらめいろ【テーマ:おばけ・めいろ】
15:ノンタン しゃっくり ひっくひく【テーマ:しゃっくり】
16:ノンタン いもうといいな【テーマ:年下の子】
17:ノンタン いたいのとんでけ〜☆【テーマ:いたいのとんでけ】
18:ノンタン ふわふわタータン【テーマ:雲の上】
19:ノンタン でかでかありがとう【テーマ:大きい】
21:ノンタン スプーンたんたんたん【テーマ:食べる】
22:ノンタン ピクニックららら【テーマ:ピクニック】
23:ノンタン たいそう1・2・3【テーマ:たいそう】
4歳〜 すきすきノンタンシリーズ
1:ノンタン がんばるもん【テーマ:けが】
2:ノンタン テッテケむしむし【テーマ:力をあわせる】
その他の作品
・ノンタン あいうえお/1・2・3/A・B・C
・てんじつきさわるえほん ノンタンじどうしゃ ぶっぶー
・ノンタンかるた
・ノンタンあそび図鑑
セット商品
・ぬいぐるみつきバースデーセット
・赤ちゃん版9冊セット・ノンタンあそぼうよ23冊セット
・赤ちゃん版6冊セット
・ノンタンあそぼうよ6冊セット
ノンタンの秘密
妹・タータンは耳が聞こえないという設定がある
16作目で突如登場した妹のタータンですが、実は耳が聞こえないという設定があります。作中では明記されていないものの、本屋や病院などで配布されていた無料配布小冊子の「まるごとノンタンブック」内にあるコーナー「タータンのひみつ」に書かれていました。
また、「あそび図鑑」にはタータンが手話を教えてくれるコーナーもあります。それを知ってから絵本を読むと、タータンが言葉をしゃべらないことや、周りの子たちがタータンを気遣っていることに気付かされます。
ノンタンに登場するキャラクターは、いたずら好きだったりしっかりしていたり、気が強かったり泣き虫だったりと、みんな個性的です。ノンタンの世界にはさまざまな子がいて、耳が聞こえないこともひとつの個性なのかもしれません。
ノンタンに出てくるキャラクターの名前や年齢
ノンタンに出てくるキャラクターは、キヨノさんいわく「必要性を感じなかった」とのことでほとんど名前がついていません。くまはくま、うさぎはうさぎ(3羽もいるのにみんなまとめてうさぎ!)と、シンプルでわかりやすいですよね。
続いてキャラクターの年齢ですが、ノンタンは作品によって年齢が異なります。読み手となる子どもと同じ年齢と考えてもいいのかもしれません。
その他のキャラクターの年齢はWikipediaに書かれていましたが、元となる資料が見当たらなかったためここには記載しないこととします。気になる方はWikipediaを参照してみてください。
著作権をめぐって裁判をした事件があった
現在、絵本の表紙に書かれている作者名は「キヨノサチコ」のみです。しかし、1980年ごろのノンタンは作者名が「おおともやすおみ・おおともさちこ」の連名となっており、もっと遡ると「おおともやすおみ」のみの記載となっています。
実は初期のノンタンは、清野幸子さんと大友康匠さんによる共作でした。その時点ではお二人が結婚されていたため、キヨノさんは大友幸子さんというお名前で活動されていたようです。しかしその後、お二人は離婚をしてしまいます。
離婚後、ノンタンの著作権について互いの認識が違っていたようで、清野さんは大友さんを相手に訴訟を起こしました。裁判が行われるなか、大友さんは61歳で亡くなってしまい、最終的には清野さんによる作品であると判断され現在は「キヨノサチコ」名義になっているとのことです。
ノンタンは教育に悪いの?
ノンタンの絵本の感想を見ていると、稀に「教育に悪い」「内容が良くない」などの言葉が見られます。詳しくは別記事にて考察していますので、そちらをご覧ください。
怖いと話題になった「耳がちぎれる」シーン
1998年に出版された「ノンタンがんばるもん」には、ブランコから落ちたノンタンの耳がちぎれてしまうシーンが描かれています。血が赤く滲んでおり、その後手術で縫うところまでしっかり描写されている衝撃の作品です。
これを読んだ子どもが「怖い」と泣いたり、大人になってからもトラウマとして覚えていたりしたことから、「この1冊は子どもに読ませたくない!」と思っている方も多いようです。
実際は怪我を通した学びがある作品なのですが、ちぎれてしまったノンタンの耳はとても痛そうで、わたしは見ていられませんでした。人が怪我をしているのを見るのが苦手な方は、この1冊をスキップしてもいいかもしれません……。
さいごに
ノンタンシリーズは昔から今まで、たくさんの子どもや大人に愛されてきました。少し勝手なように見えるノンタンですが、子どもらしさにあふれていて憎めない、かわいいキャラクターです。
ノンタンのことを少し苦手と感じている方も、ぜひもう一度、自分の子どもを見るような気持ちで読んでみてください。案外「まったくもう……」と世話を焼きたくなり、目が離せなくなるかもしれませんよ。