こんにちは、すずめです。ミッフィーが好きなのですが、絵本のうさこちゃんシリーズを読み始めてからというものの、どちらの名前で呼ぶか決めきれず迷っています。考えてみれば、同じキャラクターに2つの名前があるのは珍しいですよね。
本記事では、英語版の名前「Miffy」意味や由来、オランダ版原書での本当の名前など、ミッフィーちゃんの名前について詳しくご紹介していきます。うさこちゃんとミッフィーの違いについても解説しますので、ぜひご覧ください。
なお、ミッフィーの絵本に登場するキャラクターについては別記事「ブルーナのキャラクターを画像付きで徹底解説」にて紹介しております。そちらもあわせてご覧ください。
知ってる?ミッフィーの本名
日本では「ミッフィー」という名前で親しまれていますが、実は各国で呼ばれている名前が異なります。
オランダの原書版「ナインチェ・プラウス」が本当の名前
ミッフィーの著者であるディック・ブルーナは、自信が生み出したうさぎのキャラクターに「ナインチェ・プラウス」という名前をつけました。表記は「Nijntje Pluis」で、日本語に直訳すると「ふわふわうさちゃん」という意味になります。
「ミッフィー」という名前の由来・意味は?
ナインチェという名前はオランダ人以外に発音しにくいそうです。そのため、イギリス版を出版するにあたり、どの言語でも発音しやすいような英語風の名前が考えられました。それが「ミッフィー」です。
でも、「Miffy」という英単語には「短気」「すぐ腹を立てる」などの意味があります。どうしてかわいいうさぎにそんな名前が?と思って調べてみたところ、海外のミッフィー公式サイトに以下のような記述がありました。
「The name doesn’t have any special meaning, but it is easy to pronounce in all languages.」
(名前に特別な意味はありませんが、どの言語でも発音しやすい名前です。)
つまり、ミッフィーという名前はあくまで聞こえ方を重視した「英語風」であり、「短気」という意味が込められているわけでないということでした。
また、ミッフィーの名前はブルーナが英訳者と相談して決めたという話も見かけたのですが、ソースが見つけられなかったため真偽は定かでありません。
海外でも「Miffy」の名前で親しまれている
どの言語でも発音しやすいように「ミッフィー」と名付けられたこともあり、現在はオランダ以外のほとんどで「Miffy」と呼ばれています。ところが、日本に「うさこちゃん」という翻訳の名前があるように、その国ならではの名前がある国もあります。
フランスでは「le petit lapin」だったことも
海外の公式サイトによると、フランスでははじめ「le petit lapin」と訳されていました。日本語にすると「ちいさなうさぎ」です。ところが現在は「Miffy」呼びに変わっており、絵本なども「Miffy」の表記が使われています。
アフリカーンス語では「kleintjie」と呼ばれていた
海外の公式サイトには、フランス語の他にアフリカーンス語についても触れられていました。南アフリカとナミビアで主に話される言葉で、オランダの方言が元となったといわれています。
アフリカーンス語では「kleintjie」と呼ばれていた時期もあったとのことです。オランダ語から派生した言葉というだけあり、「Nijntje」に少し近いですね。
中国名は「米菲」韓国語は「미피」
中国では「米菲」と訳されています。「米飛兔」と表されることもあるそうです。発音は「mǐ fēi」で、「Miffy」に近い発音です。
また、韓国語の「미피」はカタカナにすると「ミピ」あるいは「ミッピ」になります。こちらも「Miffy」に似ている響きの言葉です。
米菲 語 中国 でどう発音するか | HowToPronounce.com
미 피 語 韓国語 でどう発音するか | HowToPronounce.com
ロシア語は「миффия」アラビア語は「ميفي」
馴染みがあまりない言語ですが、ロシア語やアラビア語での表記もご紹介します。ロシアでは「миффия」、アラビア語では「ميفي」と表されます。読みにくいですが、実際に発音を聞くと、どちらもかなり「Miffy」に近い発音になっています。
миффия 語 ロシア でどう発音するか | HowToPronounce.com
ميفي 語 アラビア語 でどう発音するか | HowToPronounce.com
なぜ表記が2つ?うさこちゃんとミッフィーの違い
「うさこちゃん」と「ミッフィー」の2つの表記が使われているのは、日本でミッフィーの絵本を出版する会社が2つあることに起因します。かつては同じ原書が、福音館書店と講談社の両方から翻訳・出版されていたこともありました。(講談社版は現在廃版)
福音館書店では「うさこちゃん」
日本で最初にミッフィーが翻訳されたのは1964年、福音館書店の絵本でした。訳者は石井桃子さんで、ナインチェ・プラウスを「うさこちゃん」と訳しています。ナインチェ・プラウスが「ふわふわうさちゃん」なのを考えると、ぴったりな翻訳です。
講談社では「ミッフィー」が使われた
一方で、講談社から出版される絵本では、世界的に使われている「ミッフィー」の名前が使われることになりました。また、のちに放送されたNHKのアニメでも「ミッフィー」が使われています。
ミッフィーの物語絵本は、現在では福音館書店からのみ発売されています(前述の通り、講談社版は廃版)。しかし講談社からは今もさまざまなしかけ絵本や学習絵本が発売されており、それらはすべて「ミッフィー」の表記になっています。
さいごに
わたしは石井桃子さん訳の「うさこちゃん」の名前にも思い入れがあり、どちらの名前も大好きです。また、ブルーナさんが直接名付けた「ナインチェ」もおしゃれな響きでかわいらしいですよね。
このブログでは、福音館書店から出版されている「うさこちゃんシリーズ」のあらすじや内容を解説した記事や、ブルーナの絵本に登場するキャラをまとめて紹介した記事も公開しています。ぜひそちらもあわせてご覧ください。