すずめ書店

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ガラゴシリーズを徹底解説*あらすじ・グッズ・バムケロとの関係など

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 こんにちは、すずめです。以前2年生を担任していたとき、図書の時間にガラゴを読み聞かせたところクラス内に島田ゆかブームが巻き起こりました。島田さんの絵本は小さい子も小学生も大人も夢中にさせてしまうのだなと、改めて実感しました。

 ガラゴシリーズは「かばんうりのガラゴ」「うちにかえったガラゴ」の2冊から成ります。細かなところまで描かれた絵とユーモア溢れる展開が特徴ですが、冊数が少ないためか、バムとケロシリーズほど有名ではないようです。

 ところが、ガラゴシリーズはバムとケロが好きな方にこそ読んでほしい絵本なのです。それは、シリーズ同士で繋がりがあるからです。詳しく紹介していきますので、島田ゆかさんの作品を読んだことがない方もぜひご覧ください。

かばんうりのガラゴ

こんな人向けの記事

・かばんうりのガラゴシリーズについて詳しく知りたい

 

ガラゴシリーズってどんな絵本?

作者はバムとケロで有名な島田ゆかさん

 ガラゴシリーズの作者は、現在カナダに住まわれている島田ゆかさんです。「バムとケロのにちようび」で絵本作家デビューしていますが、それ以前はパッケージデザインなどに携わっていたそうです。

 ガラゴシリーズはバムとケロシリーズと並行して執筆されていたようです。「かばんうりのガラゴ」は「さむいあさ」と「おかいもの」の間の1997年、「うちにかえったガラゴ」は「おかいもの」の翌年となる2002年に出版されています。

ガラゴはどんなキャラクター?

 タイトルのとおり、ガラゴは旅をしながらかばんを売って生活しています。「きょうだいがほしい」「ライオンらしくみえるかばんがほしい」などの要望を受け、お客さんに合ったかばんを売ってあげるのです。

 相手が求めていることを考え、時にはプラスアルファの協力をしながらお客さんの要求を叶えてあげるガラゴは、とても優しいキャラクターです。寒いのが苦手で、寒い季節になると家に帰る姿が2作目で描かれています。

どんなかばんを売っているの?

 ガラゴが売るのは、お客さんの希望に合った風変わりなかばんです。たてがみがわりになったりおたまじゃくしが住めたりと、現実ではありえないのに「ひょっとしたら実現できるかも?」と思えるのがおもしろいポイントです。

 どんなかばんが登場するかが醍醐味の絵本なので、ここではあまり詳しく書いてしまわないことにします。かばんがたくさん登場するのは1冊目の「かばんうりのガラゴ」の方なので、気になる方はぜひそちらを読んでみてください。

対象年齢は?何歳から何歳まで楽しめる?

 ガラゴシリーズは対象年齢を明記していませんが、読み聞かせするなら3〜4歳ごろから楽しめる子が多いようです。文章量が多いため、自分で読むなら読むことに慣れた1・2年生ごろからがよさそうです。

 そして何歳ごろまで楽しめるかですが、島田ゆかさんの作品は大人のファンも多いため、好きになればいつまでも楽しめます。大人になってから読むと視点が変わり新しい発見があるので、昔好きだった方が読むのもおすすめですよ。

モデルとなった動物は?

おさるのピザトル

 特徴的な見た目をしているガラゴですが、モデルとなったのは「ショウガラゴ」という動物です。大きな耳や赤い目は絵本に出てくるガラゴとそっくりですよね。珍しそうにも見えますが、サイズが小さく家で飼育することもできるのだそうです。

バムケロファン必見!シリーズとの繋がり

バムとケロのなかまたち(既7巻セット)

 ガラゴシリーズには、バムとケロシリーズの登場人物もたくさん登場します。それどころか、主役であるケロちゃんとガラゴには深い関係があることがわかっています。

 この記事でも重要な点は解説していますが、もっと細かく知りたい方は以下の別記事をご覧ください。ガラゴシリーズにバムケロが登場する場面や、バムケロシリーズにガラゴが登場する場面をひとつずつ紹介しています。

suzume-books.hatenablog.com

ケロちゃんとガラゴの深い関係

 「かばんうりのガラゴ」には、ケロちゃんにそっくりなカエルが登場します。このカエルは、実はケロちゃんのお母さん。本文中にそう明記されているわけではありませんが、それがわかるヒントがさまざまなところに隠されているのです。

 そのヒントを自分の目で確かめたい方は、「バムとケロのおかいもの」をチェックしてみてください。冒頭には、ガラゴとケロちゃんの関係がわかる写真が飾られていますよ。

バムとケロシリーズにも出演

 反対に、ガラゴがバムケロシリーズに出演したこともあります。「もりのこや」の最終ページには、秘密の小屋を訪れるガラゴの姿がこっそり描かれています。秘密の場所に訪れるほど仲がいい、彼らの関係性がわかる場面です。

共通して登場するキャラクターも

 ガラゴのお客さんが「おかいもの」に出てくるなど、2つのシリーズに共通して登場するキャラクターもたくさんいます。それを大々的に描くのではなく、主人公たちが行動している背景としてさらっと描いているのが素敵ですよね。

 別記事にバムとケロシリーズについて解説したページもありますので、ぜひそちらも参照してみてください。

ガラゴシリーズのあらすじ・内容を紹介!

シリーズ絵本全2冊

変わったかばんがたくさん登場する「かばんうりのガラゴ」

 お客さんの要望に合うかばんを売ってあげる、ガラゴの1作目となる作品です。それってカバン屋さんに言ってもどうにもならないんじゃ……と思うような要望も、ガラゴは見事に解決してくれます。次々と登場する予想外のかばんが見ものです。

 2作目はかばんを売るお話ではないので、ガラゴの出すかばんを楽しみたい方には本作がおすすめです。バムケロシリーズのケロちゃんとの関係性もわかる1冊ですよ。

みんなが家を訪れる賑やかな「うちにかえったガラゴ」

 寒い季節になり、自宅に帰るガラゴを描いた2作目です。家には次々と友達が訪ねてきて、ガラゴが人気者なのがわかります。家の中は細かく描かれていてかわいらしく、隅々まで楽しめる1冊です。

 ドタバタと賑やかな作品で、「にちようび」のような雰囲気が好きな方におすすめです。ラストシーンにはガラゴの家を訪れるバムとケロらしき背中も描かれています。

グッズ付きの小型絵本ボックスも

 ガラゴが持っているかばんと同じデザインのボックスに、シリーズ2冊の小型絵本が入ったセットです。ガラゴが履いている赤と青の長靴をイメージしたキーホルダーも付いています。裏にはかわいい足跡が描かれていますよ。

 小型絵本は現時点で単品販売がされていないため、このセットでしか手に入りません。お出かけ用がほしい方におすすめです。

ガラゴシリーズのグッズはある?

バムとケロのカレンダー2023 ([カレンダー])

 ガラゴシリーズのグッズはほとんど販売されていません。以前はふせんなどの文房具があったようですが、現在手に入れるのは難しそうです。

 グッズと呼べるかわかりませんが、2023年のバムケロカレンダーは「バムとケロ(とガラゴ)のカレンダー」として発売されており、ガラゴもたくさん登場します。

 また、上記で紹介した小型絵本セットに付いている長靴ならまだ手に入ります。とはいえ発売は2017年と古く、売り切れになっている店舗も多いようなので、ほしい方は早めに購入しておくのがおすすめです。

さいごに

 バムとケロシリーズの人気に隠れがちなガラゴシリーズですが、2作ともガラゴの優しさやマイペースさで心が温まる素敵な作品です。島田ゆかさんの作品は読み終わってからも何度も楽しめるのが醍醐味ですので、ぜひ手元に置いて繰り返しページを開いてみてください。