こんにちは、すずめです。以前バムとケロシリーズについて解説する記事とガラゴシリーズについて解説する記事を書きました。そのときに少し両者の関係性について述べたのですが、絵本を読み返すほどにバム・ケロとガラゴの関係が気になったので、別記事として取り上げることにしました。
島田ゆかさんの絵本の素敵なところは、さまざまな発見ができ、読むたびに味がするところです。もし自分で全て見つけたいのであれば、閲覧をおすすめしません。バムケロとガラゴの関係性が知りたい方はぜひご覧ください!
・バムケロシリーズとガラゴシリーズのどちらも好き
・両者がお互いの絵本に出るシーンが知りたい
・バムケロとガラゴの関係性が知りたい
はじめに
今回の記事では、絵本だけを読んだときに客観的にわかることを書いています。MOEの特集など、絵本外のことについては資料として含みません。ただし、キャラクターの名前はMOEや公式HPを参考にしています。
本記事はシリーズの一ファンが絵本を見つつ書いているものであり、作者の意図と合っているとは限りません。また、すべてを網羅しているわけではない点もご了承ください。もし追加で発見した箇所があれば、随時更新していく予定です。
紹介するにあたり、本来なら該当する絵本のページを見せてしまうのが手っ取り早いのですが、絵本の中身をアップしてしまうのは著作権に違反しますので、画像類は掲載しません。ぜひ絵本を開き、自分の目で確かめてみてください。
また、この記事はバムケロシリーズとガラゴシリーズのどちらも知っていることを前提に書いています。それぞれについて詳細を知りたいのであれば、個別で解説した以下の記事をご覧ください。
バムとケロシリーズを徹底解説!新作はいつ?あらすじ・グッズ情報も*
ガラゴシリーズを徹底解説!グッズやバムとケロとの関係性も調査
バムケロとガラゴがお互いの絵本に登場するシーン
まずは、それぞれの絵本にお互いが登場しているシーンを探してみました。バムとケロシリーズ→ガラゴシリーズの順番で、出版が早い絵本から紹介していきます。
バムとケロのにちようび
◆バスルームに、バス用品が入ったガラゴらしき置き物がある。
◆屋根裏にもガラゴらしきキャンドル立てがある。
「にちようび」が出版されたのはガラゴの1作目が発表される3年前なので、2つの置き物をガラゴとして描いたのかは微妙なところです。
2の置き物は色がついていない(木製なのかな?)ため、ガラゴの特徴的な赤い目ではありません。しかし形はそっくりで、大きな目と耳が特徴的でした。少なくとも、2つは共通する生き物をイメージして作られていそうです。
バムとケロのそらのたび
◆りんごやまで、ガラゴそっくりな見た目の生き物が穴から顔を覗かせている。
前作と違い、今度は置き物ではなく生き物としてガラゴに似たものが出てきています。全身は見えないものの、赤くまんまるな目や内側に横線が入った耳など、ガラゴにそっくりな形をしています。
しかし、大きさがガラゴより小さそうではありました。ほらあなに棲むねずみや虫たちと同じくらいのサイズで描かれています。「そらのたび」もガラゴの絵本が出るより前の作品なので、ガラゴに似ている何かなのかもしれません。
バムとケロのさむいあさ
◆部屋に「かばんうりのガラゴ」の絵本が置いてある。
◆バスルームに置き物(「にちようび」と同じ物)がある。
「さむいあさ」は、「かばんうりのガラゴ」の1年前に出版されています。しかし作中では、かばんうりのガラゴの表紙・裏表紙が実際に出版された本物とほぼ同じように描かれています。(旗の有無など、微妙な差あり)絵本の作業を並行しておこなっていたのかもしれません。
ここまでの作品に出てくるガラゴを見ると、「作中でもガラゴシリーズの絵本が発売されていて、バム・ケロはその絵本のキャラが好きなだけなのでは?」と思えてきます。しかし、「かばんうりのガラゴ」と次作の「おかいもの」で衝撃の関係性が明らかになります。
バムとケロのおかいもの
◆部屋にガラゴの写真が飾られている。
◆本棚にガラゴの絵本や「せかいのかばん」という本の背表紙が確認できる。
◆市場でガラゴの目のようなものが描かれたカップが売っている。
◆「ゆかいなとびら」の近くの木のかげにガラゴのかばんがある。
ガラゴの写真やかばんそのものが登場したことから、本作でバムとケロの世界にガラゴが実際にいることが確定します。しかし、まだガラゴ本人の姿は確認できません。
部屋にある写真は、ガラゴがスイカの器を持ち上げている姿を写したものです。よく見ると、小さなおたまじゃくしがいるのも見えます。これが一体なにを指すのかは、ガラゴを読んだことがある方ならわかるのではないでしょうか。詳しくは後述しますね。
バムとケロのもりのこや
◆小屋の中に「いろちがいのくつ」という本(裏表紙は赤い目)がある。
◆ペンキを塗るシーンの新聞にガラゴ絵本シリーズの広告が載っている。
◆バムのベッドの下から「うちにかえったガラゴ」の絵本が見えている。
◆ガラゴが小屋を尋ねてきている!
ついに、ガラゴ本人が登場します。顔は一部分しか見えていませんが、足元にはいつものかばんが置かれているため、ガラゴで間違いないでしょう。リスがふたごのヤモリに星を見る会について話したことで、ガラゴたちのところまで噂が広がったようです。案外近い距離に住んでいるのかもしれないですね。
前作までで少しずつガラゴの存在についてほのめかされて、本作でついに姿を表しました。「もりのこや」は現時点での最新作ですが、今後新作が出ればより深い関係性がわかるような描写があるのかもしれません。
かばんうりのガラゴ
◆かばんの中にバムの写真を飾っている。
◆ケロちゃんにそっくりな「かえる」が登場する。
本作で、バムケロとガラゴの関係が明らかになります。作中、ケロちゃんにそっくりなかえるはかばんを買い立ち去りますが、そのときにガラゴを気に入った1匹のおたまじゃくしはガラゴのもとに残るのです。そして、スイカの器に水を入れ、そこに入れて共に過ごし始めます。
ここで思い出してほしいのが、「おかいもの」で部屋に飾られていたガラゴの写真です。そこにはスイカの器とおたじゃまくしが写っていました。それがバムとケロの家に飾られているということは、このおたまじゃくしがケロちゃんと考えてほぼ間違いなさそうです。
ということは、お客さんのかえるはケロちゃんのお母さんかお父さんということになります。いつまでガラゴのもとで育ち、いつからバムと暮らし始めたのかはまだわかりませんが、ケロちゃんの意外な過去が明らかになったのが本作でした。
うちにかえったガラゴ
◆ガラゴの家に足が生えたおたまじゃくしの写真が飾られている。
◆ガラゴの家にバムのうちわやバム・ケロのインテリアがある。
◆最後にガラゴの家を訪れたのがバムとケロ。
◆郵便受けに入ったバムケロからの手紙が入っている(裏表紙の前のページ)。
本作でようやく、バムケロとガラゴが顔を合わせている場面が描かれます。バムケロは後ろ姿で、窓越しではありますが……。バムとケロがガラゴの家を訪れたということは、ガラゴがこの季節になると帰ってくるのを知っているということです。
また、ガラゴの家にある写真から、おたまじゃくしだったケロちゃんが少なくとも足が生えるまではガラゴの元にいたことがわかります。足が生えた写真を撮って飾るのは、赤ちゃんが立ったのを喜んで写真を撮るような感覚なのかもしれませんね。
共通するキャラクターや小物
バムケロの絵本とガラゴの絵本、世界線が共通しているのは確定といってよさそうです。両作は、キャラクターや小物などにも共通して登場するものがあります。全てではありませんが紹介しますので、絵本で確認してみてください。
共通して登場するキャラクター
どちらのシリーズにも同じように登場するキャラ
どちらの絵本にも共通して出てくるキャラクターはたくさんいます。特に見つけやすいのが、3本耳のおじぎちゃん・小さな犬のヤメピです。どちらも物語のうしろの部分で過ごしている人気キャラですよね。
謎なのが、2人ともバムケロの近くでもガラゴの近くでも生活している点です。移動しているのでしょうか? もしくはたくさんの個体がいるとか。おじぎちゃんもヤメピも、作中で本になっていたり新聞に載っていたりする有名人(?)ですからね。もしくは目に見えない妖精的な存在なのかもしれません。謎は深まります。
ガラゴに登場していてバムケロにも登場したキャラ
◆兄弟のバッグを買ったぶよぶよの子犬/おかいもの(市場)
◆旅する雑貨屋のとらちゃん/おかいもの(ハムスターの店)・もりのこや
◆床屋のぷるどちゃん/おかいもの(市場)・もりのこや
◆ピーナッツうりのらくちゃん/おかいもの(市場)・もりのこや
◆近くに住んでいるこみみさん/おかいもの(市場)
◆ガラゴといっしょにいるいもむし/おかいもの(とびら屋)
◆占い師のイワちゃん/おかいもの(市場)・もりのこや
◆ヤモ・ゲッコ(ふたごのヤモリ)/もりのこや
バムとケロの絵本では名前のないキャラクターとして登場した子たちが、ガラゴの絵本では名前がついた個性のあるキャラクターとして描かれていることが多いようです。「おかいもの」の全般と「もりのこや」のラストシーンはたくさんのキャラクターがいるので、おそらくもっとたくさんの共通キャラがいると思います。
どちらのシリーズに先に出たかはキャラによりますが、バムとケロを中心に物語が動くバムケロシリーズではちょい役で出演し、ガラゴとお客さんで物語が動くガラゴシリーズで詳しく描かれるパターンが多めですね。
共通して登場する小物
◆ケロちゃんが使っているクレヨンとガラゴが使っているクレヨンが同じ。
◆ガラゴの使っているコップは「おかいもの」で売っていたガラゴ顔のもの。
こちらは必死になって探したわけではないので、実際はもっとありそうです。ガラゴもあの店で買い物をしたのかな、クレヨンが同じなのはいっしょに暮らしていたからかな、など想像が膨らみます。
ここまでのまとめ
絵本からわかった関係性
◆ケロちゃんを育てたのはガラゴ(産んだのはかえる)。期間は不明だが、少なくとも足が生えるまではいっしょにいた。
◆バムケロはガラゴが家に帰る季節を知っていて、それに合わせて家を尋ねるほどに深い関係。
◆ガラゴは、星を見る会の噂が耳に入る程度には近くに住んでいる……かも。
まだ明かされていない疑問
◆そらのたびに出てきたガラゴのそっくりさんは誰?
◆ケロちゃんはいつまでガラゴのところにいて、なぜバムと暮らし始めた?
◆バムケロのところにもガラゴのところにもいるおじぎちゃんやヤメピは何者?
現時点で出版されている絵本からは読み取れない疑問点を挙げてみました。これについて考えると推測を超えてただの妄想になってしまうので、あえて疑問のままにしておきたいと思います。
さいごに
こうしてまとめてみると、自分が想像していたよりもずっと、バムケロとガラゴの関係が深いことがわかりました。検証前はまさか、ガラゴ発売前の作品にもそれらしき姿が見つけられるとは思っていませんでした……。
バムケロシリーズは1冊ごとに、ガラゴの存在が明らかになっていくのが驚きでした。作者の島田ゆかさんは、本当に細かなところにまで気を配り、計算をして1冊1冊を作られているのでしょうね。心から新作が楽しみです。
今後新しい絵本が出版され、何かわかったことがあれば追記していくつもりです。それまでは、今ある5冊+2冊を読み尽くして待っていようと思います。