すずめ書店

本で心を豊かにしたい、どこかの町のすみにある小さな本屋さん。

破れた絵本をページヘルパーで修復しました*直し方・その他の修復方法も

*当サイトの記事には広告・プロモーションが含まれます

 こんにちは、すずめです。娘に破られてしまった絵本をずっと放置していたのですが、このままにしておいてもどうにもならないと思い、修復専用のテープを購入しました。結果、とてもよかったのでご紹介したいと思います。

 本記事では、実際に破れてしまった絵本を使って直し方を解説します。また、使った商品の紹介や、100均のテープでも直せるのかなどについても取り上げます。絵本に限らず、小説や楽譜などを破られて困っている方もぜひご覧ください。

こんな人向けの記事

・破れた絵本や小説本、楽譜などをきれいに直したい

・どの修復テープを購入しようか迷っている

 

破れた絵本はすぐに直すのが鉄則

原則として、破れてしまった絵本はすぐに直すようにしましょう。その理由について説明します。

そのまま読み続けると余計にひどくなっていく

 紙が破れた状態でページをめくることを繰り返すと、破れた部分に負担がかかり、より破損がひどくなっていきます。はじめは1〜2cmの破れだったのに、どんどん広がっていったという経験がある方もいるのではないでしょうか。

 道具がない、忙しいなどの理由ですぐに直せないのであれば、子どもの手の届かないところに絵本を移動し、それ以上破れることがないようにしましょう。

丁寧に直せば子どもも絵本を大切にするようになる

 ボロボロになるまで読んで捨てるから直さない……という方もいるかもしれませんが、あまりおすすめできません。破れをそのままにしていると子どもの絵本の扱い方が雑になってしまう可能性があるからです。

 子どもは大人が思っている以上に、大人の行動を見ています。大人が絵本を丁寧に直すと、子どもも自然に絵本を大切にするようになっていきます。物の扱い方を教えるという意味でも、本を大切に扱う姿勢でいることが大切です。

絵本が破れたときの修復方法いろいろ

破れてしまった本を修復するための道具はいろいろあります。メリット・デメリットをおさえておきましょう。

専用の修復テープ

○きれいに直せる

×値段が高い、余りやすい、あまり売っていない

 とにかくきれいに直すのを重視するなら、専用の商品を買ってしまうのが一番です。ただし業務用で販売されているものが多く、値段が高かったり大量に余ってしまったりする難点があります。また、実店舗ではあまり見かけません。

100均などでも買えるメンディングテープ

○安く購入できる

×剥がれやすく耐久性に欠ける

 手軽に買えるものできれいに貼り付けたいなら、100均などでも売っているメンディングテープを使うのもひとつの手です。しかし粘着力が弱いため剥がれやすく、短期的な修復向けの方法でもあります。

でんぷんのり

○跡が残らずテープよりもきれい

×難易度が高い

 あまり知られていませんが、薄めたでんぷんのりを使って破れたページを貼る方法もあります。乾かせば光に反射することもなくなり、テープよりもきれいに修復ができます。一方で少し難しく、練習や慣れが必要かもしれません。

セロハンテープは絶対にやめよう

 どの方法を選んでもいいのですが、絶対にやめた方がいいのがセロハンテープです。なぜだめなのかは、時間が経過したセロテープを見たことがある方ならピンとくるのではないでしょうか。

 セロハンテープは、時間が経つにつれて黄ばみます。また、パリパリになってテープが割れ、ポロポロと剥がれていきます。絵本をきれいに直すどころか、余計に汚くなります。手元にセロハンテープしかないとしても、絶対に使わないようにしてください。

規文堂のページヘルパーを購入

購入したページヘルパーの写真

 わたしが購入したのは「規文堂 ページヘルパー 1.5cm幅」です。文房具店や本屋、ホームセンターなどを回ったのですが見つけられず、結局Amazonで購入しました。

 今回の記事で使用しているのは規文堂のものですが、ページへルパーという名前の商品はさまざまなメーカーから出ています。どれも同じように使用できるものなので、値段や付与ポイントなどのポイントで選んでもいいと思います。

修復テープ選びで重視したポイント

いろんな商品の中から選ぶ際に重視したポイントを2つご紹介します。

剥離紙がついている

 絶対条件として、両面テープのように剥離紙がついているものを探しました。不器用なので、テープを長めに出すとすぐぐちゃぐちゃになるんです……。

 でも剥離紙があればその心配はいりません。ちょうどいい長さに切ってから破れた箇所に当て、慎重に貼っていくだけでかなりきれいに貼れました!

1.5×50mでたっぷり使える

テープを横から見た写真

 購入した時点での直したい本は1冊だけだったのですが、多分これからも破られたりページが取れたりするだろうなと思ったので、大容量のタイプを買いました。50mあるので残量を気にせずに使えるのはうれしいし、破られたときのショックが減りそうです。

 でも正直、そんなにたくさんあっても困るという方も多いと思います。規文堂の商品ではありませんが少量タイプも売っていたので、少しだけ直したい方にはそちらがおすすめです。

図書館で教えてもらったという口コミも

 商品を買うときには必ず口コミやレビューをチェックしているのですが、この商品にはこんな口コミがありました。

図書館で公式に使用されてている秀逸な補修テープです。

https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R1JRIJOOII50J5/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B07XYX4CHL

古い本のページが取れてしまい、司書の方に教わり購入。
図書館で使用しているものを教えていただいた。
さすが専用品。もっと製本がバラバラになる前に修正すればよかったと後悔。

https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R1GLCG2P0GKDFM/ref=cm_cr_dp_d_rvw_ttl?ie=UTF8&ASIN=B07XYX4CHL

 もちろん使用しているテープは図書館によって異なると思います。でも、本を修復する機会の多い図書館で使っているというのは信頼感がありますよね。

修復テープを使った直し方

ここからは、実際に本を直す様子とともに直し方を解説していきます。本の中身が読めないようにぼかしをかけているため、少し見づらくなっています。ご了承ください。

派手に破れた本を修復してみる

破れた絵本の写真

 破れてしまった本は「ことばの豊かな子をそだてる くもんのうた200えほん」です。絵本といってもソフトカバーの本で、紙もそこまで厚くないのでいつかやられるかな……と思っていたら案の定やられました。

破れた本の写真

 全体を見るとわかるように、ページの上から下まで破れています。中途半端に残らず一気に破れたのが逆によかったのか、直しやすそうできれいな破れ方です。

まずはマスキングテープで仮止め

破れたページを仮止めした写真

 ページが完全に破れきっていたので、一度マスキングテープで仮止めしました。ページの一部が破れているくらいだったらこの行程はスキップしてもいいかもしれません。後述しますが、ここでしっかり貼ってしまうと剥がれにくいので気をつけてください。

テープをはさみでカット

切ったテープを破れた絵本に乗せている写真

 次に、テープを破れた箇所に重ねてカットします。今回は破れた部分がカーブしていたので、2枚に分けて貼ることにしました。わたしの場合は1.5cmを買ったので2枚でしたが、太めのものなら1枚でカバーできたかもしれません。

端から剥離紙を剥がしつつ貼っていく

破れた絵本にテープを貼った写真

 いよいよ実際にテープを貼っていきます。1cmほど剥離紙を剥がし、貼りたい場所にテープを当てて場所を決め、まずは粘着面が出ている箇所だけ貼りました。それで位置が間違いないのを確認してから、ようやく剥離紙を少しずつ剥がしていきます。

 剥離紙を手前に折り込むようにして、剥がしたそばから貼るような方法で進めるとズレがなく上手くいきました。貼り直しができないので、テープをしっかりおさえて慎重にやるのが大切です。

裏にも貼って完成!

破れた絵本にテープを貼った写真

 貼り終わったあとはマスキングテープを剥がし、同じ要領で反対面にもテープを貼りました。貼らなくてもいいのかもしれませんが、両面を貼ってしまった方が同じところが破れにくくなるかなと思います。

拡大してみるとこんなかんじ

 テープを貼った場所を拡大してみると、こんなふうになっています。

テープを貼った場所を拡大した写真

テープを貼った場所を拡大した写真

 テープを貼った箇所だけ、少しだけ色が濃くなっているのがわかるでしょうか。マットな質感なので光が反射しにくく、そこまで違和感がありません。思っていたよりもきれいに直せて満足です!

注意しておきたいポイント

これからテープを使って直す方のために、気をつけるべきポイントを記載しておきます。

貼り直しできないのでテープの長さに注意

 パッケージにも注意書きがありますが、テープの貼り直しはできません。そのため、慎重に貼る必要があります。

 また、長めのテープを扱う場合には特に気をつける必要があります。貼るときに少しでも角度がズレると、最終的には大きなズレになってしまうためです。もしも途中でズレに気付いたら、そこでテープを切って貼ってしまうのがいいと思います。

マステを剥がすときはそーっと

 テープを貼り終わっても、気は抜けません。仮止めのマステを剥がすときにも注意をしてください。マステだからきれいに剥がれるだろうと軽い気持ちでピッと剥がしたら、ページが少し剥がれました……。

 きれいに剥がすためにも、①貼るときは軽く②剥がすときにはゆっくり、の2つを意識しておくといいですよ。

小説や雑誌の修復、楽譜の製本などにも使えるらしい

 今回は娘の絵本の修復に使いましたが、小説や雑誌などの修復にも使えそうです。もちろん破られないように予防するのが一番なのですが、もしものときに直せるテープがあるというだけでちょっと安心しますよね。

 また、楽譜の製本にも使っているという口コミもありました。貼り直しができないということは、粘着力がしっかりしているということです。手作りの絵本などにもいいかもしれません。

図書館の本を勝手に直すのはやめよう

 ページヘルパーは、図書館でも使われている修復テープで、とてもきれいにページが直せます。でもだからといって、図書館で借りた本を破ってしまったらこれで直せばいいと考えるのはNGです。

 図書館にもよりますが、本の破損状況を記録しているところもあります。そもそも「破っちゃったけど直したから黙っててもいいや!」という姿勢は、子どものお手本になると思えません

 図書館の本を破ったらどうしたらいいかについては、別記事にまとめてあります。わたしの体験談をもとに対処法や謝り方についても書いているので、困っている方はぜひ読んでみてください。

suzume-books.hatenablog.com

さいごに

 実際にページを直してみて、なんでもっと早く買わなかったんだろう……と後悔しました。それくらい簡単できれいに直せる、満足できる商品でした。なにより、これでボードブック以外の絵本も自由にさわらせてあげられるのがうれしいです。

 ページヘルパーは、小さな子どもがいる家庭なら持っていて損のないものだと思います。絵本をたくさん持っている方は、ぜひ購入してみてはいかがでしょうか。