すずめ書店

本で心を豊かにしたい、どこかの町のすみにある小さな本屋さん。

【実験】古い絵本のシミや汚れ・黄ばみをきれいにしてみる*ハイターでセルフクリーニング

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 こんにちは、すずめです。古本屋で絵本を見ていると、たまに状態の悪いものを見つけることがあります。表紙が変色していたり、ページにシミがたくさんついていたり……。絵本はロングセラーが多いので、状態が悪い古本も多いんですよね。

 状態が悪くなってしまった絵本を自分できれいにすることができたらいいのに……と以前から思っていたのですが、先日あることがきっかけで、セルフクリーニングをしてみようと思い立ちました

 本記事では、汚れやシミのついた絵本をクリーニングする方法をご紹介し、実際にどの程度までならきれいになるのかをレポートします。大切な絵本を汚してしまった方や、シミだらけになってしまった思い出の絵本をきれいにしたい方など、セルフクリーニングを考えている方はぜひご覧ください。

こんな人向けの記事

・汚くなった本(シミ・汚れ・黄ばみなど)をきれいにする方法が知りたい

・セルフクリーニングで古本がどこまできれいになるのか見てみたい

 

楽天で買った中古絵本があまりに汚い……

 絵本を購入する際、実店舗だけでなく、楽天内の古書店もよく使います。ひとつひとつの商品画像がないものが多く最初は不安だったのですが、某ショップで買うとびっくりするくらいきれいなものばかり届いていたので、そのショップを愛用していました。

 先日、お気に入りに入れていた絵本の「状態:良い」がかなり安くなっていたので、いつものショップで購入。が、手元に届いたのはシミだらけの、とても「良い」とはいえないような絵本でした……。

シミの写真

 クリーニング済みと書いてあったし、いつもはすごくきれいな絵本が届いていたので、かなりショックでした。というか、ウェットティッシュで拭いたらとれそうな汚れもそのままだし、本当にクリーニングされているのかな……と思うほど。

 そこで、ふと思いつきました。もしこれがクリーニングされていない状態なら、自分でクリーニングしてみればいいのでは? そしてクリーニング方法をマスターすれば、今後は状態の悪い絵本を安く買って自分できれいにできるのでは……?

 そう考えたら、このシミだらけ絵本もありがたく思えてきました。自分でシミだらけにしようと思うと、かなりの時間がかかりますから……。クリーニングの練習にするにはもってこいの絵本が届いたのだと考えれば、お買い物も失敗でなくなります。

 ということで、届いた汚い絵本をクリーニングでどれだけきれいにできるか試してみることにしました!

汚すぎる古本をきれいにしてみる!

クリーニングのために、いろいろな方法を試してみました。きれいになったものもあれば、残念な結果に終わったものも……。

ページ内のシミ落とし

シミの写真

 まずは、古い絵本にできがちな、ページ内の茶色いシミをなんとかしていきます。そもそもこのシミ何?と思ったのでいろいろ調べてみたのですが、カビが原因であるケースが多いのだそう

シミの写真2

 古本にはよくあることとはいえ、買った絵本にこれだけシミがたっぷりあると、さすがに気持ちもへこみます。全ページの半分以上にこんなシミがありました。なんとかしてきれいにしたい。

漂白剤(キッチンハイター)でシミ落とし

 漂白剤を使うとシミが白くなるらしいので、自宅にあったキッチンハイターを使って落としてみることにしました。シミ落としをする際は、漂白剤を素手で触らないことと、換気をすることに気をつけてくださいね。

用意するもの

・漂白剤……不要なガラス容器を使用。

・水……漂白剤と間違えないよう、容器の形が違うものを使用。

・めんぼう

ティッシュ

・コピー用紙

染み抜きに使ったものの写真

①下準備として、シミを落としたいページの裏にコピー用紙を数枚挟みます。最初は1枚しか挟まなかったのですが、下のページにけっこう染みてしまったので、少なくとも3枚くらいは挟んだ方がいいと思います。新聞や広告は印刷がうつりそうなので、避けた方がよさそうです。

染み抜き前の写真

②漂白剤(キッチンハイター)の原液を、綿棒でちょんちょんとつけていきます

シミのあるページにハイターをつけた写真

③少し置いたら、ティッシュに水を含ませて、漂白剤を落とします。このときに擦ってしまうと、ページがよれたり破れたりする可能性があるので、軽く叩くようにおこないました。とはいえ、かなり濡れています。

ページの漂白剤を水できれいにした写真

④このまま乾かすとページがシワシワになってしまうので、水濡れを最小限に抑えるための作業をします。染み抜きをしたページの前後に白い紙を数枚挟み、本を閉じて重しを乗せて、紙が水を吸うのを待ちます。これは多分乗せすぎ。

絵本の上に重しを乗せた写真

⑤結果、こんなかんじになりました!

染み抜き後の写真

 写真ではわかりづらいかもしれませんが、染み抜きした箇所が多いこともあり、かなり水濡れ感があります。が、シミ自体は思ったよりもきれいに落ちました!

 ただ、ページ全体が薄く変色していたので、シミがあった場所が白くなりすぎて逆に目立っています。これはもう仕方ないですかね……。

↓比較をGIFにしてみました。けっこう違う!

染み抜き前後の比較

コーヒーや飲み物などをこぼしたシミも落としてみる

 経年劣化でできたシミは、漂白剤できれいになってくれました。次は、飲み物をこぼした汚れ落としに挑戦してみます。

シミの写真4

 このシミを見つけたときは、いろいろ通り越して笑ってしまいました。飲み物をこぼした跡らしく、水濡れのシワもできています。縦6cm、横5cmの巨大な汚れ……これが「状態:良い」なのは何かの間違いでしょうか……。(もうあの店では買いません)

 どうでもいいのですが、夫に「見てよこれ」と事情を説明したら、「リスさんからオーラが出てる!」となぜか喜んでいました。わたしもそのくらいおおらかに生きていきたいです……。

シミの写真5

 シミは、裏の数ページまで染み込んでいました。また、それとは別にこぼしたであろうシミも発見。逆に考えたら、こんなに汚してしまっても買い取ってくれる業者って、売る側としてはありがたい……のか……?

 シミの原因が違ってもきれいに落ちるのか、実際に試してみました。方法は経年劣化のシミ落としと全く同じです。結果、こうなりました。

染み抜き後の写真

 うーん、ちょっとはシミが落ちたものの、なかったことにはできないレベルで残っています。シミのフチは薄くなっていますが、全体としての存在感はごまかせていません……。

 ただ、絵が印刷された部分にもハイターをたっぷりつけたのに、印刷自体は色落ちしていないことにはびっくりしました。漂白剤はページが白じゃないと使えないと思い込んでいたのですが、そんなこともないのでしょうか?

 写真ではわかりづらいですが、先ほどと同じように水抜きをしたのにかなりシワがよっています。もともとの持ち主が、飲み物をこぼしたあとにそのまま乾かしたためかもしれません。(ふやけた状態のまま乾くと手の施しようがないんです……)

 あとで調べてみたところ、飲み物のシミは時間が経つと落ちにくくなるようです。もし自分でこぼしてしまったら、後回しにせず、すぐに対処した方がいいですね。

表紙の黄ばみ

表紙の黄ばみ1
表紙の黄ばみ2

 絵本の顔である表紙は、経年劣化で黄色く変色してしまいがちです。きれいな状態の絵本と比べるとこんなに黄ばんでいました。中のページがきれいになったので、表紙もなんとかしてきれいにしてみようと思います。

ウェットティッシュ・メラミンスポンジで挑戦するも……

 まずはウェットティッシュで拭いてみるも、当然色の変化はなし。それは予想内だったので、激落ちくん(メラミンスポンジ)を使って拭くことにしました。

 正直、ちょっとは落ちるだろうと思ってこすりはじめたのですが……メラミンスポンジを使っても全く変化なしでした。表紙の黄ばみは、こすって落ちる汚れではないようです。よく考えたら変色は汚れではないので、落ちるはずがないですね……。

頼みの綱のハイターを試してみたけれど……

 ページのシミもきれいにしてくれたハイターなら、表紙だって白くなるだろ……と思い、ハイターを使ってみることに。特に変色している部分に綿棒でハイターをつけ、しばらく放置してから濡れたティッシュで拭いました。

表紙の黄ばみを落とそうとしたがきれいにならなかった写真

 が、変化はほぼ見られず。ちょっと薄くなったのかな?という気もするのですが、ページのシミ落としのようにパッと見てわかるレベルではありません。これはちょっと予想外でした。表紙の黄ばみをきれいにするのは難しいようです……。

小口・天のシミ落とし

小口の汚れ

 本を閉じた状態で置いておくと、ページが重なった上の部分(天)にほこりがたまりますよね。この本も購入時にはほこりが積もっていたのですが、それを除くと点々とした茶色っぽいシミがたくさん現れました

紙ヤスリで削る!

 これもシミなので、ページ内のシミを落としたときのようにハイターを使ってもいいのですが、紙のはじの部分なので紙ヤスリで削ってみることにしました。家にたまたまあった#600を使います。

絵本の小口と紙やすりの写真

 ページをまとめて持ち、上の部分が揃うようにしてこすると、少しずつきれいになってきました。

紙やすりで削ったあとの小口の写真

 とはいえ、ちょっとシミが残っています。シミがなくなるまで削ればいいのですが、どこまで削って大丈夫なのかわからず、途中でやめてしまいました。シミが深い場合は紙ヤスリじゃないほうがよさそうです。

Before After比較

 クリーニング前後を比較できるよう、GIFにしました。(角度が微妙に違って見づらいものもありますね……すみません)

Before After1

Before After3

Before After2

まとめ

・ハイターを使えばシミは落ちるが、範囲が大きいとページがしわしわになる。

・シミが白くなりすぎて逆に目立つ場合も。

・飲み物のシミは早く対処しないと落ちにくくなる。

 以前、古本屋さんで「シミさえなければ買ったのに……」と思って購入を見送った絵本も、今なら買っちゃうなと思います。経年劣化の小さなシミがあるくらいならきれいにできそうなので!

図書館の絵本を汚したら?

 自分で絵本をきれいにできるようになったからといって、図書館で借りた絵本を勝手にクリーニングしてはいけません。「自分が汚してしまったんだから、返す前にきれいにしよう」という親切心だったとしても、絶対にやるべきでない行為です。

 失敗しなければいいのでは?と思う方もいるかもしれませんが、どんなにクリーニングに自信があっても勝手に手を加えるのはNGです。自分でなんとかしようとせず、図書館に持って行って申告するようにしましょう。

似たような記事:図書館の絵本を破ってしまいました【NG行動・元々破れていたときの対処法も解説】

さいごに

 経年劣化のシミは、思っていたよりもずっときれいになりました。逆に目立つほど白くなるなんて、試す前には思ってもみなかったです。が、シミが落ちたとはいえ、ページがしわしわになっているので……「ぐりとぐらのおおそうじ」と「ぐりとぐらとすみれちゃん」は買い直そうと思います……。

 やっぱり、自分で状態確認ができないものは買うべきでないですね。今後は実店舗か、状態がはっきり書かれているショップで購入するようにしようと思います。

★追記:やはり商品の状態に納得できなかったため、ショップのレビューをしたところ、連絡があり返金対応していただきました。よかったです……。